奨学生 レポート

外国人奨学生の顔写真

髙橋 誠司郎
2022~2024年度奨学生
オックスフォード大学 博士課程 社会科学部

2024年6月末に日本から帰英して三ヶ月程経ちます。
今年の3月にレポートを提出させていただきましたが、それ以来の取り組みについて振り返り報告させていただきます。 

5月末にはオックスフォード大学人類学博士課程のクラスメイトを訪れに沖縄県から福岡県へ行きました。 
クラスメイトは日本の宗教について研究をされていて、太宰府天満宮をはじめとし、色々な神社やお寺などを案内してくださいました。 
ちょうど宝満山では何匹もの蛙が山を登る時期でして、登る理由がまだ明らかでない不思議な現象を観察することができました。

6月15日には沖縄で空手の試験を受けさせていただきました。 
道場の先生先輩方とは2019年に初めてお会いしましたが、これからもご厚情にあずからせていただければ幸いです。 

6月19日にはDaniel Broudy教授にお招きいただき沖縄キリスト教学院大学で論文研究についてゲスト講義を行わせていただきました。
沖縄キリスト教学院大学のウェブサイトに掲載していただいた記事へのリンクを共有させていただきます:https://www.ocjc.ac.jp/2024/07/09/current_issue_class_specialtalk_ecom/

Broudy教授とはオックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジの友人を通してご縁があり、帰英してからも研究活動などに関して交流を続けさせていただいております。

6月23日沖縄「慰霊の日」には『Smile Makes It Peaceful Vol. 6』チャリティー・コンサートに参加させていただき、北中城村島袋青年会のメンバーと『唐船ドーイ』のエイサーを踊らせていただきました。
イベント情報へのリンクは以下にございます: https://www.instagram.com/smip.okinawa/

私にとっては初めてのエイサー演舞でして、島袋青年会の皆様には優しく歓迎とご指導していただきました。
沖縄戦の戦没者を追悼する「慰霊の日」は日系米国人としても思うところがございました。
エイサーはお盆の時期に亡きご先祖様の霊と交わる仕来りだと伺いましたが、演舞を通して沖縄戦で亡くなった数々の人々のご冥福をお祈りさせていただく機会となりました。
エイサーなどの沖縄の文化について学ぶことによって世代間の繋がりの温かみを感じ、一見お別れの様である死もまた新しい関係の始まりなのだということに気づかせていただきました。
今年は沖縄でのお盆シーズンに残念ながら参加できませんでしたが、いつか島袋青年会の皆様と道ジュネーを踊らせていただきたいです。

沖縄でのフィールド調査をまとめるにあたり、宿泊先、教会、道場、動物病院、愛護団体や青年会などのお世話になった方々から送別会を開いていただき、思い出となる楽しい時間を過ごしました。

6月末に沖縄からオックスフォードへ戻ってからは指導教員のRoger Goodman教授とお会いし論文作成に励んでおります。
大学からは一年間離れておりましたが、帰ってから間も無く友人と再会し新しい友と出逢うことができ、漕艇、ランニング、太極拳、空手、キックボクシングなどの練習にも参加しております。

8月には家族が英国を訪れ、米国ピッツバーグ市を拠点とする聖歌隊と共に英国北部のリンカーン大聖堂で一週間のコーラル・レジデンシーにご一緒させていただきました。

今月は「City of Sanctuary」である英国北部ブラッドフォード市でロヒンギャ族難民の方とフィールド調査を行われているクラスメイトを訪問させていただきました。
以下の壁画にも表されているように、ブラッドフォードではかつて繊維産業が栄え現在も紡績工場の建物が遺産として残されており、キリスト教のブラッドフォード大聖堂から数分歩いたところにはシク教のグルドワーラやイスラム教のモスクがあります。

壁画



先週末は5月末に福岡市でお会いしたオックスフォード大学セント・アンズ・カレッジ「Year In Japan Scheme」の卒業生の方から同プログラムの同窓会にお招きいただき、Goodman教授の講義を受けさせていただきました。

来月からはいよいよ博士課程の7三年目に突入します。
坂口国際育英奨学財団のご支援を通して、フィールド調査中の出逢いから学ばせていただいたことを活かしながら精進してまいりたく存じます。
平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。