奨学生 レポート

外国人奨学生の顔写真

髙橋 誠司郎
2022年度~2024年度奨学生
オックスフォード大学 博士課程 社会科学部

米国南カリフォルニアから英国へ移動して半年経ちます。
秋と寒い冬を越して、オックスフォードも少しずつ春を迎えているようです。 

昨年、学期が始まる前にSt Antony’s Collegeに着き、翌日時差ボケで早朝に起き、夜中のオックスフォードを散歩したのち、教会で朝の祈祷会に参加しました。千年近く存在するこの教会は礼拝中の聖歌隊とオルガンの賛歌がとても美しく、地元南カリフォルニアにて司祭である友人ご夫婦が学生時代に通っていた場所であり、新入生である私を歓迎してくれました。 

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聖歌隊と言いますと、私もオックスフォードに着いてからコーラスに入隊しました。St Antony's Collegeでは聖歌隊が活動していないので、他のカレッジでオーディションを受け、まずは主にLincoln Collegeで歌わせていただき、やがてWorcester Collegeからchoral scholarshipをいただき、そちらのコーラスへ移籍しました。隊員は学部生、院生、社会人と近所の学校の生徒で構成されています。聖歌隊の参加するリハーサルと礼拝は学期中大体週4回あり、ボーカルレッスンを含めて、歌う機会は豊富です。Thomas Attwood, Edward Bairstow, Maurice Bevan, John Blow, Johannes Brahms, William Byrd, Bob Chilcott, Peter Cornelius, Johann Eccard, Paul Edwards, Orlando Gibbons, George Frideric Handel, Herbert Howells, Thomas Hewitt Jones, Kenneth Leighton, Matthew Martin, William Mathias, Felix Mendelssohn, Julia Perry, Elizabeth Poston, Henry Purcell, Undine Smith Moore, Paul Spicer, Thomas Tallis, Lodovico da Viadana, Ernest Walker, Peter Warlock, Samuel Sebastian Wesley, Percy Whitlock, Philip Wilby, Giovanni Pierluigi da Palestrinaなどの作曲家の作品に加えて、聖歌隊のメンバーが作曲したものも演奏しました。春休みの間もリハーサルと礼拝やレッスンに参加する予定です。

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私の所属しているSt Antony's Collegeは敷地内にカレッジ長と担当教授であるロジャー・グッドマン先生が務める日産日本問題研究所があり、人類学部のビルにも近く、恰好な環境です。St Antony's Collegeでは漕艇部に入部しました。去年は新人用のボートレースに、そして2月にはオックスブリッジ伝統のTorpidsボートレースに参加しました。アイシス川は細いので、Torpidsではカレッジの艇が縦列に並んでbumpsという形式で競争をします。前の艇に追いつきbumpをすれば、追いついた艇はその時点でレースを抜けます。Bumpされた艇は、次の艇に追いつくまで、あるいはレースコースの終わりまでレースを続行します。四日間に渡り毎日、後ろの艇に追いつかれずに前の艇に追いつきbumpをすれば、bladesという賞が与えられます。私たちの艇は四日間追いつかれず、最初の三日間はbumpを果たしましたが、惜しくも最終日に前の艇に追いつかず、レースを終えました。5月のSummer VIIIsボートレースに向けて、チームは練習に取り組んでいます。 

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博士課程においては、セミナーに加え、社会理論、デジタル研究法、合同民族誌と自己民族誌、PRS(Probationary Research Student)クラス、日本人類学などの授業を受けました。研究においては、担当教授と検討したのち、日本沖縄地方の平均寿命に関する課題から、同地方の野良犬と野良猫の管理に関する課題へ変更しました。博士課程を機に、多種民族誌 (multi-species ethnography)の研究法に挑戦しようと考えております。研究提案について更にフィードバックをいただき、Transfer of Statusを完了したのち、沖縄県にてフィールドワークを開始する予定です。人類学博士課程の同期生とも親しくなり、幅広く非常に興味深い研究トピックと知識の集まりから学んでおります。私以外にも日本について研究を行っているメンバーが数人いるので、フィールドワーク先でも会うのを愉しみにしております。

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Hilary Termを終え、春休み中も研究の作業と漕艇部のトレーニングと聖歌隊の活動に励もうと思います。充実した学院生活を坂口財団様にご支援いただき誠にありがたく存じ上げます。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 

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