奨学生 レポート

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劉 俊薇(リュウ シュンビ)
中国出身/2024年度奨学生
東京外国語大学 総合国際学研究科 博士前期課程

5月度エッセイ「熱海旅行から見えた地域の活性化」

 ゴールデンウィーク初日の朝は、静岡県熱海市で温かな日差しに照らされながらさわやかな海風に吹かれて自然に目覚めた。 海岸沿いに広がるホテルからの眺めは素晴らしく、朝起きると目の前に広がる海の景色に心が洗われた。特に朝日を浴びながらの海辺散歩は、気持ちがリフレッシュされる貴重な時間だった。海の息吹は、まるで大地と共鳴し、巨大な波が深遠な絵画を描き出している。時には静かで夢のように、海面は鏡のように平らで、空の⻘さが映し出され、まるで碧い夢のようだ。時には荒々しく、波が荒れ狂い、千の波しぶきを巻き起こし、まるで海の鼓動が、あらゆる生命を不思議な旋律に誘っている。これこそが自然の幻想的な交響曲と感じた。

ホテルから見た海

ホテルから見た海


 美しい景色を楽しむ同時に、かつての賑やかさを取り戻した光景に驚いた。観光客の増加が地域経済の活性化に大きく寄与していることが実感できた。2019 年以前は、訪日外国人観光客数の爆発的な増加によって、日本における観光産業の位置付けは、「地域活性化の切り札」と呼ばれたように非常に高いものでした。新型コロナによる人の移動の制限により、大きな影響を受けた産業の1つに観光・旅行業が挙げられる。訪日外国人観光客の訪日要件の緩和、イベントでの人数制限の撤廃等の新型コロナとの共存方法が見つかり、ようやく、⻑いトンネルを抜けようとしている。 熱海は日本有数の温泉地であり、⻑年にわたり多くの観光客を引きつけてきた。しかし、コロナ禍の影響で観光業は大打撃を受け、一時は閑散としていた。それが、今年に入ってから急速に回復し、街には活気が戻ってきた。観光客の増加は、地域経済に多大な影響を与えている。まず、宿泊施設や飲食店、土産物店などのサービス業が潤っている。私が泊まった旅館でも、予約が取れないほどの盛況ぶりで、レストランも多くの観光客で賑わっていた。 また、観光客の増加による地域インフラの整備にも寄与している。観光客が快適に過ごせるように、道路や公共交通機関の整備が進められている。熱海駅周辺も再開発が進み、新しい観光施設や宿泊施設が次々とオープンしている。  これにより、観光客の利便性が向上し、さらに多くの人々を引きつけることができるようになっている。この度、観光客の増加が地域の経済活性化にどのように貢献しているのかを、自分の目で確かめる良い機会となった。今後も、熱海のような観光地がその魅力をさらに高め、観光客にとって魅力的な場所であり続けることを期待している。

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