陳 露文(チン ロブン)
中国出身/2024~2025年度奨学生
日本女子大学 人間社会研究科 博士後期課程
完璧主義との戦い
私は長らく、自身が完璧主義者かどうかについて葛藤していました。完璧を求めるあまり、日本語のイントネーションを完全に排除しようと努力し、スピーチは滑らかに、講義は緻密に準備することを心がけてきました。しかし、皮肉なことに、私は三日坊主という一面も持ち合わせています。ランニング、ゲーム、読書、筋トレなど、始めたものが長続きしたことはほとんどありませんでした。私は以前、「完璧主義者であれば三日坊主にはならないはず」と自問自答していました。しかし、実際には完璧主義が三日坊主を引き起こす原因だったのです。完璧を求めるあまり、完璧にできない可能性への恐怖が行動を妨げていたのです。このように、完璧主義は自己批判や挫折感を増大させることがあり、精神的なストレスや不安を引き起こす原因となることもあります。この完璧主義は、徐々に私の世界を狭めていきました。新しいゲームやジムでの新しい動作に挑戦するたび、上手くできない自分に涙することが多く、そのたびに逃げ出してしまいました。また、カラオケで正しい音程が取れないこと、ゼミで自分の思いを完全に伝えられないことが原因で、次第に孤立していったのです。この状況を打開するために、私は完璧主義の背後に潜む問題を深く考えるようになりました。その結果、「自分は変われない」という固定観念が、完璧主義の根底にあると気づきました。これを受け入れることが難しいため、新たな挑戦や練習から遠ざかっていたのです。しかし、冷静に考えれば、未熟なことも練習によって上達します。この認識が私の考え方を根本から変え、目標を結果から過程へとシフトさせました。例えば、「ゲームでMVPになる」ではなく、「操作が上手いキャラクターを毎日練習する」、また「質の高い論文を書く」ではなく、「毎日文献を読む」、「お腹に11字のラインが見える」ではなく、「腹筋トレーニングを毎朝やる」といった具体的な練習目標を設定しました。この変化は、練習そのものを目標とすることで、自己嫌悪を減らし、自己受容を促進する効果がありました。完璧主義からの完全な脱却はまだ道のりがありますが、「練習志向」を持続することで、少しずつ前進していることを実感しています。
具体的な練習目標を設定