奨学生 レポート

外国人奨学生の顔写真

閆 家欣(エンカキン)
中国出身/2023年度奨学生
日本女子大学 人間社会学部 教育学科

日本での教育活動の実践から得た心得

 11月中旬に入ってから中間テストの緊張感に陥ちる児童・生徒の存在が多いのではないでしょうか。この点について私が水泳補助でアルバイトしている小学校のある高年級クラスの子どもたちの反応から見えたのです。ある日に3限目の水泳授業が終わって、子どもたちが更衣室で着替えているうちによく話し掛けってくれるある子どもの口から最近学校が中間テストを行っているってことを知りました。その子が「次の授業で理科のテストやる」、「アンキパン食べたいなあ」って言い終わったばかり周りすぐ騒ぎになりました。「私も」など、共感溢れる言葉が周りの子どもたちの口からどんどん絶えずに出ってきました。私が黙って、ただ子どもの様子を見て笑いました。後から考えると、私は子どもたちを励まして、安心させる言葉を言うべきだと気づきました。また、受験など頭を使う作業は適度な緊張感のもとで最も効果的になり、特に難しい課題に直面する時に緊張の度合いが中度に近づければ近づくほど学習のパフォーマンスが高まるから、子どもたちに適度な緊張感を持たせても悪くないと思います。

 また、この1年間くらい3つの日本の学習支援機関で外国人ルーツの子どもに国語、算数などの学習支援をする経験を通して、徐々に指導上の留意点やコツなどをまとめるようになりました。それについて、カウンセリングの視点を学習指導の過程に取り込んで、メタ認知的知識を子どもに知らせるのがポイントだと思います。

 つきましては、中国出身の小学校4年のKちゃんを対象にした「小数の倍数」の指導例を挙げさせていただきたいと思います。kちゃんは式で小数の割り算を計算する時に小数点の移動のやり方を分かりませんでした。私はまずkちゃんがさっきやってたことの説明を一回聞きました。kちゃんの躓いている部分を診断して、間違えたところを言葉で誘導して彼女に意識させました。そして教科書に立ち戻って、正しい式の解き方(前学んだことがある知識)を一緒に復習して、説明をしました。kちゃんは「分かった」って言いましたが、鉛筆を持って書き直しようとする時に、手の動きが突然止まってしまいました。これは分かっていない反応だと気づいてすぐに分かりやすい言葉を入れ替えてもう一回kちゃんに説明しました。kちゃんがそれを聞いてやっと式を解けました。普通はここまででお終いですが、kちゃんに解けた式をもう一回説明させました。最後にkちゃんに分からない時に教科書に立ち戻る習慣を持つこと、知識の繋がりに注意すること、学習方略を意識的に立てることなどを助言しました。

 このような有益な教育活動を通じて、子どもたちと共に成長していると感じています。