活動内容

2020年11月 
外国人奨学生エッセイ

2020年11月 外国人奨学生エッセイ

４月～７月にかけて、コロナ禍による行事中止に代わり毎月提出いただいた外国人奨学生エッセイ。論文執筆時期を鑑み、今回は８～11月分として一人1本ずつ提出いただきました。個性的かつ魅力的なエッセイのなかから、5名のエッセイをご紹介いたします。

 王 思文（オウ シブン）さん

日本女子大学　文学部日本文学科／中国出身

タイトル：「人形浄瑠璃『阿弥陀胸割』」

夏休みの末に、オンラインで、「阿弥陀胸割」という人形浄瑠璃の演目を観た。初めて人形浄瑠璃を観るのは、日本語学校にいたときだった。４年前より、少し古典芸能についての知識は増えたと思う。ただ人形操りの面白さだけではく、その作品に現れる時代的、社会的なものも注目するようになった。
「阿弥陀胸割」は、天竺の姉弟が、悪事を尽くし魔道に墜ちた両親を供養するため、身を売る物語である。

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 区 潔萍（オー ケッペイ）さん

筑波大学　人間総合科学研究科障害科学専攻　博士課程／中国出身

タイトル：「礼儀とは？」

数ヶ月前に起きたことだったが、私は共同研究をしている先生に、「学会入会費のお支払いを忘れないでください」とメールで書いたことがある。そのメールの内容に対して、その先生に「失礼だ」と言われた。実は、その前に入会の事情に関して一回メールで連絡したが、返信が来なかったので、二回目のメールでストレートな言い方をした。しかし、自分が善かれと思ったこの一言は、目上の方に失礼なこととして扱われた。

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 クシストフ アンドリュー シプニエヴスキーさん

筑波大学　人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻　博士課程／ポーランド出身

タイトル：「Dziady(ジアディ) 祖霊祭」

暖かい夏の日は思い出にしか過ぎず、厳しい冬が迫り来る頃、冬至と秋分の間に、生者の世界と死者の世界の境界が薄くなる。その極点である10月31日から11月1日の夜に死者の御霊が我らの世に流れてくる。悪霊から身を守るか、煉獄をさ迷う魂を安らかにするか、又は死者からの祝福を依頼するために、かつてその夜にヨーロッパを渡り様々な面白い習慣が生じた。

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 ライリア ヌール サフィトリさん

東京外国語大学　総合国際学研究科国際日本専攻　修士課程／インドネシア出身

タイトル：「受け止めること」

今から10年ほど前に、中学⽣だった私は⽇本語を学び始めた。その間に、様々な⾔葉やフレーズを⾒つけて暗記していたが、記憶に深く残っている単語がいくつかある。
ネットで⾒つけた⽇本の番組の中に「侘び・寂び」という表現を聞いたことがある。⽇本の伝統的なお庭を背景に、その単語を使って美しさを表していた。

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 尹 相軫（ユン サンジン）さん

日本体育大学　体育科学研究科コーチング学専攻　博士課程／韓国出身

タイトル：「現代の重宝」

現代はスマホとネットワークという画期的な発明品のおかけで、さらに早く、さらに遠くまで動いている。約10年前のApple社のiPhoneがここまで人の生き方を変えると思っていた人は、そんなに多くはないだろう。その当時、オーストリアと日本の遠距離恋愛をしていた自分は、彼女と連絡をしたくても時差でタイミングが合わず、しかもカメラ付きのパソコンでないと顔すら見られない、場所の限界がある時代に住んでいた。

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