活動報告

2019年9月7日~8日
秋季一泊研修・交流会(富士Calm)

2019年9月7日~8日 秋季一泊研修・交流会(富士Calm)| 屋外集合写真
2019年9月7日~8日 秋季一泊研修・交流会(富士Calm)| 発表
2019年9月7日~8日 秋季一泊研修・交流会(富士Calm)| 懇親会
2019年9月7日~8日 秋季一泊研修・交流会(富士Calm)| 忍野八海

雄大な山容の富士山が出迎える中、秋季一泊研修・交流会を実施しました。これは奨学生に研究発表の機会を作り、何のために日本で学ぶのか、将来の目標は何かを再確認し、今後の成長の糧にしてほしいとの目的で開催しています。今回の研修テーマは、4月の初回奨学金授与式での代表理事挨拶に関連して「多様性と相互理解のその先にあるもの・・・」を設定しました。

参加者は今年度の外国人奨学生9名をはじめ、坂口電熱グループの社員や運営協力いただいているNPO N・Cさくら会など総勢33名。研修会では、奨学生がひとりずつ「自己紹介」(生い立ちや故郷の紹介、留学の動機、趣味や特技、日本への提言など)「研究内容」(取り組んでいる研究や将来計画など)の2つのテーマを発表しました。それぞれ大変個性的なプレゼンテーションで、聴衆を魅了する内容でした。「日本への提言」のなかには、「"18歳になった若者は、最低半年留学しなければならない法律”を諸国で可決する」という大胆な提言もありました。それは「視野を広げる」「他国の文化を経験し、人々と接触する若者は人種差別などを否定するであろう」との理由でした。こうした視点は自らの留学体験に基づく興味深いものでした。

夕食後の懇親会では参加者が車座になり、ポーランド出身の奨学生が披露した、本物の千円札を使用した瞬間移動のテーブルマジックに一同感嘆しきりでした。9月生まれの奨学生をサプライズの歌とケーキでお祝いした後は、戸外で花火を楽しみ和やかな交流の輪が広がりました。

2日目の早朝は清々しい空気に包まれ、奨学生の出身国である韓国・中国・ベトナム・ポーランドと日本の国旗掲揚、ラジオ体操でのストレッチを行いました。富士山ゆかりの場所を巡る2日目は、冨士浅間神社参拝からスタート。世界遺産構成資産の湧水池としても有名な忍野八海では、強い日差しが照りつける中、透き通る湧水と雲一つない富士山のコントラストを堪能できました。ふじさんミュージアムでは富士山信仰の歴史などを学び、登山者の宿泊所であった御師旧外川家住宅を見学しました。

この2日間が日頃研究に追われ頭を酷使している奨学生の皆さんにとって、想い出深いリフレッシュの機会となり、さらに「その先にあるもの・・・」が見えてくれればなによりです。

 奨学生の感想

奨学生の感想を、一部抜粋してご紹介いたします!

 クシストフ アンドリュー シプニエヴスキーさん
筑波大学大学院 人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻/ポーランド出身

国々のみならず、言葉・地域・家族など異なる因子は多くあります。その中で多文化の経験や知識の習得以外にも相互理解に欠かせないことは、どんな文化から生じても「誰もが希望や不安などを抱いている」「叶えたい夢がある」「幸せにしたい愛するものがいる」ことです。物事のやり方が違っても皆が私と同じであり、私は皆と同じであると覚えるべきだと思います。そうすれば、多様性と相互理解の先にあるものとは真のグローバル社会だと思います。

 陸 靖穎さん
日本女子大学 文学部日本文学科/中国出身

発表のなかで「日本人の空気を読む」文化に言及しましたが、アンドリューさん等の意見でも同様の言及がありました。私の知る限り英語・中国語に「空気を読む」に該当する言葉はなく、日本独創の言葉でしょう。学術的な場面では場の空気より意見を主張すべきですが、相手を配慮し、戦わず平和的に物事・人間関係を円滑に進めるには有効なスキルです。欧米と日本の両方から学ぶ部分があります。この2日間を通して、多様性と相互理解の先にあるのは共同成長と親睦であると考えました。

 上智大学大学院 言語科学研究科言語学専攻/中国出身

相田みつをの作品に「生きていてよかったと思うことのひとつ、それは人間が人間に逢って人間について話をするときです」という文がありますが、その意味に納得する会でした。多様性の理解に大事なのはステレオタイプを捨てることです。しかしステレオタイプで物事を判断することは人間の習慣であり、簡単には治せない思考のくせです。なので、自分は知らないことや人に関して簡単に結論を出さないことが大事だと感じるようになりました。