2019年3月15日
2018年度 最終回奨学金授与式(財団支部事務局)
麗らかな春の晴天に恵まれ、2018年度奨学生の財団卒業式ともいえる最終回の奨学金授与式が執り行われました。
秋季一泊研修・交流会などで懇意になった坂口電熱社員の皆さんも参列する中、代表理事 蜂谷真弓から最終回の奨学金が手渡されました。
代表理事からは、30年という一世代に相当する財団の歴史を振り返り、「インターネットの発達等、技術革新による圧倒的な変化が起きている時代の中でも、世界平和を願う財団設立の趣旨は不変です。奨学生も感謝の気持ちや恩を感じる気持ちを持ち続けていただきたい」とのはなむけの言葉が贈られました。
今回は奨学生から「この1年を振り返って坂口財団への想い」「来日前後での日本への印象がどのように変わったか」「今後の計画」を述べた最終レポートを事前に提出いただきました。授与式では奨学生一人ひとりがそれぞれの研究成果などを発表する場も設けました。ほかの奨学生のレポートを読んだり、発表を聴くのは奨学生にとっても刺激的な時間となったようです。
懇談の時間には、事務局が一人ひとりに作成した、1年間の財団行事の写真をまとめた自分だけのアルバムを手に、同期生たちと談笑する姿が見られました。レストランにて夕食を共にした後、仲間との別れを惜しみつつもそれぞれが家路に就きました。
奨学生のレポート
奨学生のレポートを、一部抜粋してご紹介いたします!
①この1年を振り返って坂口財団への想い
②来日前後での日本への印象がどのように変わったか
③今後の計画
日本女子大学(史学部)/ミャンマー/2018年度【新規】奨学生
①日本女子大学への留学を選んだのは「夢があるから。夢を実現させたいから」です。学業とアルバイトの両立が難しく、大学を辞めたいほど落ち込んだこともありましたが、奨学金をいただいたおかげで、大学から奨励賞をいただく程の結果を出し、就活も両立させることができました。
②大学は母国と全く違う履修システムで、勉強は想像以上に難しく、毎週出される課題に必死な毎日でした。その中でも出会いに恵まれ、アルバイト先でイスラム教徒の友だちと出会ったことが「宗教と食」の研究のきっかけとなりました。
③子供とファッションが好きなのでアパレル企業に応募し、日本で内定を頂きました。将来は孤児や女性教育のため、特に母国で教育を受けるのが困難な状況にいる女性のためにボランティア活動もしたいと思います。
筑波大学大学院(哲学・思想研究専攻)/スロベニア/2018年度【継続】奨学生
①日本は勿論、母国でも大学院へ進む金銭的余裕がなく、修士課程修了を目指しアルバイトの時間もないため、奨学金を頂けたのは感謝の言葉もありません。母国で25年間続けてきた空手の稽古を日本でできたことも、ヨーロッパ人として本当に光栄です。
②EUと日本の医療制度は便利な接続が少なく、治療法も異なるため、常用薬の入手には毎回インターネットを通じて輸入しなければなりません。銀行制度も、EUで発行されたデビットカードを店・ATMでもあまり使えないのが問題だと思います。また日本語力は留学の中で改善したと思いますが、それにも関わらず、信じられないほど難しいです。
③2019年4月より国費留学生に採用されました。2020年3月の博士課程修了を目指しています。国際関係確立には日本語と日本文化をよく知るヨーロッパ人が重要な役割を果たすと思うので、帰国後は研究者として日本研究の学術専門職に就くことが目標です。